放っておくとどうなる?外壁のクラック
経年とともにお家の外壁にできてしまうひび割れ。建築業界では「クラック」と呼ばれています。クラックを放置すると、建物の見た目だけでなく耐久性にも影響を及ぼす可能性が・・・。今回はクラックができてしまう原因や、できてしまってからの対処方法について解説します。お家の長寿命を守るために、どのように対策を取るべきかを考えてみましょう!
クラックができてしまう原因は?
クラックができる原因はいくつかあり、ひとつは外的な要因によるものです。一見、頑丈でびくともしない建物も、内部の構造に使われる木材などの材料は、気温や湿度によって収縮・膨張を繰り返す性質があります。そのため気候に合わせて、材質は少しずつ呼吸をするように伸び縮みを繰り返し、内部の微細な変化が積み重なることで、外壁へ反動が伝わり徐々に小さな亀裂ができてしまうのです。
住環境によってもできやすさは変わりますが、海や山の近くなど、特殊な環境下や天候が変わりやすい地域ではその影響が顕著に表れるため、一般的な耐年数よりも早い段階で発生する可能性もあります。
また、日本は地震や大雨などの自然災害が多い国。災害によって発生する影響も見逃せません。お家はいつも外部の刺激にさらされているため、建物にストレスがかかる要因があると、内部構造に微細なズレが生じてしまうことがあります。すると、外壁への負荷がかかってしまい結果クラックができてしまいます。
他にもモルタルやコンクリートは素材の特性上、施工後の乾燥する工程で素材が伸縮し、髪の毛のように細いクラックができることがあります。こちらは「ヘアクラック」と呼ばれ、緊急性は低いものの、それ以上広がってこないか、クラックの箇所が増えないかなど、注意深く経過を見る必要があります。
クラックは放っておいても大丈夫?放置するとどうなる?
見た目もよろしくないクラックですが、見た目以外でも影響はあるのでしょうか。
クラックを放っておくと雨水や湿気が割れ目から侵入し、建物内部に浸水や水漏れを引き起こしてしまうことがあります。すると、外から侵入した湿気が内部の壁や天井に染み渡り始め、カビや腐食などが発生し、建物の構造物や内装の劣化が進めてしまう原因となります。その結果、雨漏りや断熱性、防音性が損なわれてしまうことがあるのです。
特に地震などの自然災害時には、クラック部分が脆弱な箇所となり、建物の安定性に影響を与えてしまいます。外壁のクラックは早期に対策を取らないと建物の寿命を縮めてしまうので、放置しておくのはとても危険です。
すぐに直したほうがよいクラックとは?
それでは、できてしまったクラックをいつ修復するかの判断はどのようにすればよいのでしょうか?一番はプロの業者に確認してもらうのが安心なのですが、目安はひび割れの幅が0.3mm以上か、深さが4mm以上あれば、修復の緊急度が高いクラックです。
放っておくと先述のように、外壁が崩れたり建物内部の劣化に繋がるので、すぐに修復の依頼を強くお勧めします。見つけた時は小さくても、だんだんと広がってきていたり、中から水分のようなものが浸み出していたりすれば危ないので、同じくすぐに修復する必要があります。
「まだ小さいからもう少し酷くなってから直そう」「表から見えないし、目立たない場所だからもう少し様子をみよう」と思ってしまうこともあるかと思いますが、内部にまで影響がでてからだと修復するのはとても大変な作業になってしまいます。見つけた際は自己判断せず、プロの業者に建物への影響がないかをチェックしてもらうようにしましょう。
補修はどのようにすればいいの?
外壁のヘアクラックは、基本的にプロの外壁塗装の業者が行います。依頼した当日にすぐ作業するといったことはほとんどなく、まずは見積もりを取るために発生箇所や大きさ、深さ、内部までの影響がないかなど状態を詳しく調査します。と同時に、ヘアクラックができてしまった原因がどこにあるのかもしっかりと検査をしてから、後日補修の作業に入ります。
補修作業では、発生箇所周辺の汚れや古い塗料を取り除き、表面の汚れを綺麗に清掃します。これにより補修に必要な材料がしっかりと付着してくれます。その後、シーリング材や補修用の接着剤などの適切な充填材料を使って、割れている箇所を埋めます。クラックに充填材料が満たされたら、表面を平滑化し外壁の一体感を保ちます。
クラックを補修した後は外壁塗装を行います。塗料でしっかりと塗膜を作り、新たなクラックを防止しながら建物全体の美観を取り戻します。塗料は家の特性にあったものを選びお客様の要望にあった仕上げをします。これでひび割れた箇所はしっかりと元に戻り、外壁も新築のように若返ってくれるのです。
補修が完了した後も定期的な点検とメンテナンスで、新たなクラックを予防し、もし、できてしまってからも対策をすることができますので、こまめに様子をチェックしておくのも大切です。
今回は、外壁でお悩みの多いクラックについてご紹介しました。お家の壁にはできてないでしょうか?建物の安全と美観を保つために、定期的な点検をするようにしてくださいね!
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